いま、私たちが生きるこの世界は、民族や人種の多様性と同じように、ジェンダーやセクシュアリティの多様性を認め合い、誰もが平等な権利を享受し、誰もが自分らしく自由に生きることができる、そのような社会の実現に向けて、一歩一歩、進んでいます。その流れを切り開いていったのがフェミニズムであり、自分たちの手で社会を変えて行こうとする人々の運動でした。であれば、ジェンダー平等社会の実現のために両者を架橋しようとする研究があるのは当然のことです。その研究が――まさに、それゆえに――、昨年、「LGBTは生産性がない」などと主張して「選良」としての資質の欠如を露呈した杉田水脈議員による誹謗中傷の恰好の標的となったことは不思議ではありません。LGBTに対する発言同様、杉田議員は、自身の無知と偏見に基づいて、牟田和恵さんらの研究を貶め、その名誉を著しく傷つけ、学問の自由に不当な介入を行なっています。牟田さんら研究グループのメンバーは、2月12日、杉田議員を名誉棄損で提訴しました。最終的な判決が下されるまで、長い闘いになるでしょう。果敢に提訴に踏み切った牟田さんたちの闘いを支えたいと思います。自由な学問の実践を護るために、そしてジェンダー平等社会の実現に向けて前進するために、あなたも、支援の輪に加わってください。
岡真理
(京都大学、国会議員の科研費介入とフェミニズムバッシングを許さない裁判支援の会の代表)